【5分でわかる】アスベスト除去・封じ込め・囲い込み工法の違い|適切な工法の選び方とは?
令和4年のアスベスト改正実施について
アスベストは、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ安価であるため、建材を中心に幅広く使用されてきました。
しかし、空中に飛散したアスベスト繊維を吸入すると、肺がんや中皮腫などの病気を引き起こす可能性があります。そのため、アスベストは現在では製造及び使用が禁止されています
アスベストに関する法律の変遷
- 1975年(昭和50年):石綿障害予防規則が制定され、石綿の使用が規制される。
- 1995年(平成7年):石綿障害予防規則が改正され、石綿の使用がさらに規制される。
- 2006年(平成18年):石綿の製造、輸入、使用が禁止される。
- 2012年(平成24年):大気汚染防止法が改正され、アスベストの飛散防止対策が強化される。
- 2022年(令和4年):大気汚染防止法が改正され、アスベストの飛散防止対策がさらに強化される。
アスベストの2023年の法改正では、解体・改修工事において、有資格者によるアスベスト事前調査が義務化されます。
また、アスベストの飛散防止対策が強化されます。これらの改正により、アスベストによる健康被害を防ぐことが期待されます。
アスベストとは
アスベストの概要
アスベストは、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ安価であるため、建材を中心に幅広く使用されてきました。
しかし、空中に飛散したアスベスト繊維を吸入すると、肺がんや中皮腫などの病気を引き起こす可能性があります。そのため、アスベストは現在では製造及び使用が禁止されています。
アスベストの種類
アスベストの種類は、以下の6種類です。
- クリソタイル(白石綿)
- アモサイト(茶石綿)
- クロシドライト(青石綿)
- アンソフィライト
- トレモライト
- アクチノライト
これらの種類の中で、クリソタイル(白石綿)は最も安全性が高いとされています。しかし、アスベストはいずれの種類も、空中に飛散した繊維を吸入すると、肺がんや中皮腫などの病気を引き起こす可能性があります。
建物への使用
アスベスト含有している建材は身の回りに多くあります。
- 吹付け材:天井や鉄骨に吹き付けられた断熱材など
- 保温材等:断熱材や防音材、遮音材
- 成形板等:スレート板、けい酸カルシウム板、窯業系サイディング、ロックウール吸音天井板
これらの建材は、アスベストが含有されているかどうか、目視では判断が難しいため、専門家に調査を依頼することをお勧めします。
アスベストの処理
除去工法
アスベストを含む建材を完全に取り除く方法です。この方法は、アスベストの飛散を完全に防止できるため、最も安全な方法です。しかし、費用が最も高く、工期も長くなります。
封じ込め工法
アスベストを含む建材をカバーアップ剤等で密閉・固化し、飛散を防止する方法です。この方法は、除去工法に比べて費用が安く、工期も短くなります。しかし、アスベストの飛散を完全に防止することはできません。
囲い込み工法
アスベストを含む建材をシート等で囲い込み、飛散を防止する方法です。この方法は、除去工法と封じ込め工法に比べて費用が最も安く、工期も最も短くなります。しかし、アスベストの飛散を完全に防止することはできません。
どの処理方法が適しているかは、アスベストの含有量や場所、周辺環境などによって異なります。アスベストの処理は、専門家に依頼することをお勧めします。
アスベストレベル
アスベストのレベルは、発じん性の程度によって、レベル1、レベル2、レベル3に分類されます。
- レベル1:発じん性が著しく高い。吹き付け石綿。
- レベル2:発じん性が高い。耐火被覆板(ケイカル板2種)、断熱材(煙突・屋根折板)、配管などの保温材。
- レベル3:発じん性が比較的低い。スレート、石綿含有岩綿吸音板、Pタイル、ケイカル板1種、サイディング、石綿セメント板、石綿含有シール材、石綿含有塗材、下地調整材など。
アスベストは、人体に有害な物質です。アスベストを吸い込むと、肺がんや中皮腫などの病気を引き起こす可能性があります。そのため、アスベストが使用されている建物や設備を解体する際には、必ず専門の業者に依頼するようにしてください。